今回は祇園界隈を流れる白川を御紹介します。
比叡山の南西山麓から発し東山沿いに南流して鴨川に合流する小さな瀬の浅い白川は周辺の美しい光景とともに京都の歴史・文化を育んできた自然の恵みの川でもあります。三条通り白川橋から下流を眺めると両岸から青々とした枝を水面に垂れた綺麗な柳並木が続きます。
流れの左側の道を少し歩くと奥まった場所に「光秀の首塚」がひっそりと佇んでいます。山崎合戦で敗れ落武者狩りに斃れた明智光秀の首を家臣が祀ったとの伝説があります(諸説あり)。
更に進むと知恩院古門辺りには延暦寺の回峰行の僧侶が渡る「行者橋」や‟憩いの桟橋“が迎えてくれ、隣の橋の上から眺める景観は比叡山を借景に美しい絵葉書を見ている気分に浸れます。その後、白川は街中を抜けて大勢の観光客が集う祇園新橋に達します。
ここは京都有数の観光名所で辰巳大明神や巽橋、また歌人・吉井勇の「かにかくに碑」などが旅情を掻き立ててくれますが白川はこれら風光明媚なエリアを引き立てながら鴨川へ注いでいきます。テレビドラマで度々描写されるこれら白川辺りは訪れる皆様の心をきっと癒してくれるでしょう。 リポート 島添